神奈川県内科医学会
認知症を考える神奈川の会
認知症を考える神奈川の会 事業総括書
我が国における人口動態は世界にも類を見ない速さで高齢社会に突入しています。それとともに認知症高齢者に関する問題が顕在化して参りました。増加する認知症患者さんの早期診断と治療が必要とされ、今後は患者さんを取り巻く御家族や地域ケアシステム、行政との連携が必須となってくるものと考えました。神奈川県内科医学会は会員の生涯研修を目的として、「認知症を考える神奈川の会」を平成14年初頭に発足させました。
勉強会は第12回まで回を重ねて、毎回多数の御参加を戴いています。各内容は http://kanagawamed.org/ の中から新しい認知症受け入れ医療機関一覧(2008/04/18)http://kanagawamed.org/dementia/index.html に進んで、
http://kanagawamed.org/dementia/kananin5.htm にて御覧戴けます。
診断に関する問題から治療に関する問題、患者さんを取り巻く法的な問題から病診連繋、地域におけるネットワーク形成、新治療薬の開発等のテーマで開催して参りました。
第12回認知症を考える神奈川の会は 平成20年9月18日(木)横浜ベイシェラトンホテルで実施しました。内容は、『地域における認知症患者さんを取り巻くネットワークに対する「かかりつけ医」の重要性』というものです。
シンポジウム 認知症ネットワークの必要性
「かかりつけ医への期待と不安」 飯田 茂 氏
「かかりつけ医からみた認知症ネットワークの必要性」 千場 純 先生
「VSRADを活用した認知症地域連携への挑戦」 村松 和浩先生
「中原区における“街ぐるみ認知症ネットワーク”について」 石渡 明子先生
特別講演
「アルツハイマー病治療薬開発の夢を追って」
京都大学大学院薬学研究科創薬神経科学講座 教授 杉本 八郎先生
以上にて、211名の先生方に御出席いただきました。大変有意義なお話しで大盛況でした。この際「5つの物品記名テスト用キット」を参加された先生全員にお配りしました。
次回の第13回認知症を考える神奈川の会は開催日程については平成21年9月17(木)横浜ベイシェラトンホテルを予定しております。内容は現在検討中です。
地域連携の一環として、県内の病院と認知症を診ていただける先生方へのアンケートをお願いし、認知症高齢者の紹介や受け入れ体制を確認させていただき、それに基づき神奈川県内科医学会としてWEB上にまとめて、紹介等に活用させていただくなど日常診療に役立てています。
WEBのアドレスは http://kanagawamed.org/dementia/kananin3.htm
において全件表示リストを示し、
http://kanagawamed.org/dementia/kenkyukai1/indexninch.htm においては検索可能にしています。平成17年末から平成18年の3月までに神奈川県内の20床以上の病院に対して再度のより詳しいアンケートによる調査を実施しました。その結果355件の御回答を頂き、それを神奈川県内科医学会のホームページに載せましたので是非御活用ください。
認知症を診ていただける先生方へのアンケート調査を藤沢市医師会の協力を得て実施しました。 http://www2.tba.t-com.ne.jp/takagishi/fujisawa/fujininindex.htm です。
クリニカルカンファレンスを各地域にて実施しています。かかりつけ医に認知症を正しく御理解いただくために「地域における認知症対策実践講座」を積極的に市・区ごとに細かく実施しています。修了された先生には神奈川県内科医学会として修了証を制作し発行しています。この内容は特定非営利活動法人 高齢者医療研究機構制作によるクリニカル・カンファレンス・セミナー教材DVDを用いたもので8時間をかけるものです。受講された先生方が増えましたので、今回アンケート調査をした上でそのリストと診療内容をWEB上に公開しました。
アドレスは http://kanagawamed.org/dementia/kenkyukai2/kananin3.htm. です。
御紹介等に御利用いただければ幸いです。
今後は行政と日本医師会の主導による認知症サポート医とも連携を計り、協力して地域医療の一翼を担うようにして行きたいと考えています。
引き続き、市民健診における認知症早期発見のためのスクリーニング検査や、地域におけるネットを利用した高齢者の医療とケアの連繋についても研究して行く予定です。
以上御報告いたします。
認知症を考える神奈川の会 高岸 泰